今回紹介するのは、組み込み系システムのスペシャリス
ト試験、
エンベデットスペシャリスト試験(レベル4)です。
四天王最後の1人です。これをクリアすると論文系とい
う中ボス?に闘いを挑むことになります。
さんざん四天王と言ってきましたが、エンベデッドは必
要がない人には関係ない資格といえるでしょう。これを
回避して、中ボス戦に行かれる方も多いと思います。
とはいえ、エンベデッド?組み込み系?となってしまう
方も多いと思います。ソフトウエア系エンジニアの皆様
にとっても馴染みの薄い内容ではあります。が、ハード
ウエア系の皆様には目指すべき試験かと思います。
エンベデッドスペシャリストは試験要綱で、組込みシス
テム開発に関係する広い知識や技能を活用し、最適な組
込みシステム開発基盤の構築や組込みシステムの設計・
構築・製造を主導的に行う者、とされています。
ハードウエア組込みシステムの理論ももちろん、それを
活用するソフトウエアの知識。さらにはプロダクトマネ
ジメントに関わる知識も求められます。
わっかりやすい例で言うと。自動お掃除機ルンバのプロ
グラムや、センサーを使って LED点灯させたりとか、エ
アコンに入っている制御システムとか。ああいうのをイ
メージしていただけると、試験の概要もわかるのではと
思います。
基本データ
エンベデッドスペシャリスト試験(レベル4)
実施時期
春試験のみ(4月第3週実施)
試験時間
午前1 多岐選択式 30問(50分)
午前2 多岐選択式 25問(40分)
午後1 記述式 3問 2問解答(90分)
午後2 記述式 2問 1問解答(120分)
※午前1は免除あり
免除の条件
・応用情報、他のスペシャリスト合格者
(合格証書の番号が必要)
・他のスペシャリスト午前1合格者
(午前1通過者番号が必要)
・情報処理安全確保支援士試験合格者
(合格証書の番号が必要)
については、以降2年間午前1が免除されます。
合格基準と配点
午前 全体の60%以上の得点
午後 全体の60%以上の得点
※午前午後ⅠⅡそれぞれに合格しないと、以降の採
点はされません。
合格率
約12%程度
※発表は試験から約2ヶ月後。
分析
試験について
午前・午後の試験問題冊子は当日公式で発表になり
ます。ですが、解答例は午前1と2のみです。
午後の解答例は別の日になります。
※約1ヶ月先です。
受験する人が少ないので、他に比べると答え合わせ
や解答の晒しあいなどは少なめの印象です。
ボーダーライン上にいる人にとっては合格発表まで
の2ヶ月間はモヤモヤした日々が続きます。
午前問題について
午前1は高度試験共通です。応用情報から来る人は
免除になっていることも多いと思います。内容は応
用情報の午前問題レベルが同じものです。
午前2になると、ようやく分野別の問題になります。
過去問からの出題率が約5割程度ありますので。過
去問をしっかり勉強しましょう。新規問題も、どち
らかといえば過去問のアレンジが多いです。
午後問題について
他のスペシャリストと同じですが、午後1では長文
3題から2問を選択します。選択による難易度にそ
れほど差はでませんが、とにかく時間がありません。
すばやく、的確な回答を導き出す必要があります。
問題に出題傾向が若干見られますが、山を張るのは
危険です。まんべんなく勉強するようにしましょう。
同様に、午後2はボリュームがあり、午後1の2問
を合体させたような問題で1問選択といった感じで
す。こちらは、時間的にはやや余裕はあるのですが
。長文を理解し、正答を導いていくには集中力と持
続力が高いレベルで求められます。
対策・勉強法など
これまでのものと共通しますが、
・専門的な知識が求められる。幅広く深く勉強する。
・午前2はどの過去問も正答率90%以上を目指す。
・午後は記述式です。「書く」練習が必要になりま
す。正確に知識を速く書き出す訓練を!特に漢字
やスペルミスは絶対にしない。
・午前が理解できていないと午後は解けない。午後
の苦戦を意識している人は午前の勉強で基礎知識
をしっかり習得する。午後の空欄穴埋めはほぼ、
出来て当然と考えるべし。
・問題集や解説書の種類が少ないので、ちょっと大
変になるかもしれません。受験者もあまり多くな
いので、モチベーションをどう維持するかが大事。
・実際に組み込みのキットで遊んでみたりするとイ
メージがしやすいとおもいます。LED点灯する
とか、自走するロボットみたいなのでおっけー!
・アナログ関連の問題は必ず出る。出題数は少ない
ので嫌な人は回避しましょう。(難しくはないん
だけどね)