にしのクエスト2

情報処理技術者試験と資格学校講師の日常

20240615101703

まいにち基本 平成31年春午後問題解説 問4その1

ネットワークの問題です!

f:id:koharuwest:20190831114239p:plain


午後の問題を少しずつ解説していく連載です。
・赤字は「私ならここに線を引くなぁ」という場所。
・青字は私が考えたことや注釈などです。
皆さんも一緒に問題を読みながら、解答の方法をトレ
ースしてみていただけたら、幸いです。

問4 
eラーニングシステムの構成変更に関する次の記述を
読んで、設問1~3に答えよ。


 G社は、全国に設置した様々な規模の教室から教育
コンテンツにアクセスできるWebベースのeラーニ
ングシステムを構築し、このシステムを使った教育事
業を展開している。
 eラーニングシステムは、1台のコンテンツサーバ
と1台のアプリケーションサーバで構成されている。
コンテンツサーバは、教材や試験問題などの教育コン
テンツを保持し、アプリケーションサーバを経由して、
クライアントである教室のPCに教育コンテンツを送
信する。
 アプリケーションサーバは、受講者の認証を行い、
ログインしている受講者を管理する。
 受講者は、クライアントを利用して、教室ごとに設
置されているプロキシサーバとインターネットを経由
して、eラーニングシステムにアクセスして学習する。

 最近、一部の受講者から、システム利用に関して、
”応答に時間が掛かる”などの苦情が寄せられている。
G社では、応答時間を短縮するために、アプリケーシ
ョンサーバ1台の追加と負荷分散装置の導入を伴う新
しいネットワーク構成を検討した。負荷分散装置は、
クライアントからの要求を、同じ機能をもつ複数のサ
ーバのうちのいずれかに振り分ける装置である。


〔検討したネットワーク構成〕
 検討したネットワーク構成を、図1に示す。

f:id:koharuwest:20190922082519p:plain

 クライアントからプロキシサーバを経由して、eラ
ーニングシステムにアクセスするために、DNSサー
バ及び負荷分散装置には次の設定を行う。

DNSサーバに、eラーニングシステムのドメイン名
とこれに対応するIPアドレスとして( a )とを
登録する。
負荷分散装置に、振り分け先IPアドレスとして
( b )とを登録する。

〔負荷分散装置を用いたアクセスの振り分け〕
 アプリケーションサーバは、ログインしている受講
者を管理し、その受講者がどの教育コンテンツを閲覧
中かなどの状況を保持する。したがって、負荷分散装
置を用いてアプリケーションサーバの負荷分散を行う
場合には、受講者がeラーニングシステムにログイン
してからログアウトするまでは、その受講者が利用す
る1台のクライアントからアプリケーションサーバへ
の要求を、常に同一のアプリケーションサーバへ振り
分ける必要がある。負荷分散装置には、送信元のIP
アドレスの情報を基に要求を振り分けるタイプ(以下、
装置タイプAという)と、OSI基本参照モデルのレ
イヤ4以上の情報を基に要求を振り分けるタイプ(以
下、装置タイプBという)とがある。二つのタイプそ
れぞれの装置の動作について、概要を次に示す。


(1)装置タイプA
振り分け先が決まっていない送信元IPアドレスから
の要求は、ラウンドロビン方式で決定したアプリケー
ションサーバに振り分けるとともに、送信元IPアド
レスと振り分け先のアプリケーションサーバのIPア
ドレスとを記録する。
振り分け先が決まっている送信元IPアドレスからの
要求は、そのアプリケーションサーバに娠リ分ける。
 装置タイプAを用いると、①多くのクライアントの
ある大規模な教室からのアクセスが、1台のアプリケ
ーションサーバに集中して、アプリケーションサーバ
の負荷に偏りが生じることが予想される。


(2)装置タイプB
クライアントから送信された要求中のHTTPヘッダ
内に( c )(以下、識別情報という)がない場合
は、ラウンドロビン方式で決定したアプリケーション
サーバに振り分ける。
アプリケーションサーバから送信された応答に含まれ
HTTPヘッダ内の識別情報と、当該アプリケーシ
ョンサーバのIPアドレスとを記録する。
クライアントから送信された要求中のHTTPヘッダ
内の識別情報に対応するアプリケーションサーバのI
Pアドレスが( b )の処理によって記録されてい
る場合は、そのアプリケーションサーバに振り分ける。
 装置タイプBを用いると、多くのクライアントのあ
る大規模な教室からプロキシサーバを経由してアクセ
スがあっても、振り分け先の決定をクライアント単位
で行える。

 検討の結果、アプリケーションサーバの負荷に偏り
が少なくなることから、装置タイプBを導入すること
にした。

f:id:koharuwest:20190922082848p:plain

f:id:koharuwest:20190922083000p:plain

 

 


設問1

まずは、負荷分散装置にアクセスしてもらうように設定
するのでイですね。


振り分け先はアプリケーションサーバなので、アです。


レイヤ4以上の情報で振り分けるとあるので、トランス
ポート層以上。アエ、が消えますが。ポート番号は同じ
になってしまうので、ウですね。

設問2
IPで振り分けるくせに、全部プロキシから来てしまう
ので振り分けられません。アですね。


(次回に続く!)